温度校正の重要性について

温度校正を受けた計測器を使わなければなりません

製造工程で使われるような温度計は温度校正が必要

日本の品質管理は大きな変化を迎えました

しばらく前に計量法の改正がありました。製造工程で使われるような温度計については、JCSSで温度校正をされたものを使わなければならないと決められています。なぜ製造工程で使われる温度計はJCSSで温度校正をしなければならないのでしょうか。それは、例えば食品工場などでは製品が人の口に入ってしまうからです。そのために温度管理は極めて重要な要素となっています。 今から半世紀前の管理といえばそれは TQC トータルクオリティコントロールシステムでした。地球の裏側のアメリカで開発された品質管理システムで、その最高峰がデミング賞ということです。日本ではまず最初にトヨタ自動車がデミング賞を受賞しました。それ以来数多くの会社がデミング賞に挑戦しましたが、最終的にデミング賞を受賞できたのは13社ほどです。建設工事関係では前田建設工業一社だけがデミング賞受賞に成功しました。その後日本の品質管理は大きな変化を迎えました。今を去ること30年くらい前からは、スイスのジュネーブに本部がある国際標準化機構が推奨する ISO 品質管理システムに置き換えられたのです。国際標準化機構が推奨する品質管理システムで一番重視されるのが製品のトレーサビリティです。製品のトレーサビリティとは、製品が製造された当日に遡って、その品質が確認されなければならないという仕組みです。そのために生産工場では特別のセクションを設け、品質管理のためのデータ収集に明け暮れました。 ISO 品質管理システムで最も重視されるのはトレーサビリティですが、 それを裏付ける書類を残すということがとても大切なことになっています。

日本には計量法というのがあります。最近計量法で大幅な改定がなされました。製造工程で使われるような計測器については、そのすべてについてJCSS校正がされたものでなければならないということです。 JCSS校正でも最重点項目はトレーサビリティです。しかしながら計測器についてのトレーサビリティはちょっと違っています。国家が高揚する計測器の標準器に対してどのくらいの誤差があるのかを綿密に測定する必要があります。つまり 国家が保有する標準機に対してトレーサブルであるということが要求されます。その際重要なのが、計量器の計測誤差の範囲を含めて、JCSS校正がなされなければならないとなっています。言葉で表現するのは簡単ですが、これには大変な専門知識が必要です。統計的手法を駆使しますので、例えばマイクロソフトのエクセルなどを利用して効率的に書類を作成します。

現場の製造ラインの片隅にその証明書を用意

JCSS校正を受けた計測器を使う場合ですが、現場の製造ラインの片隅にその証明書を用意しておかなければなりません。計量法でそのように決められているからです。必要に応じて工場の検査がありますので、その時には JCSS校正の証明書を用意しておかなければなりません。一度それに合格すればその起源は原則的にありませんので、末長くその計測器を製造過程で使えるということになります。

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