製品管理に欠かせない温度校正

品質を保つためには温度校正や温度計精度が重要

温度校正頻度や常に正しい計器を用いるためには

品質維持には欠かせない管理のひとつ

さまざまな業界で、品質維持を主な目的として温度制御がおこなわれていますが、それだけでは十分とはいえません。製品がおかれていた温度、あるいは受けていた熱のサイクルなど、記録をとることが必要とされています。このようなデータ記録は、薬剤や食品の加工生産・保管をするためには義務付けされていますので、遵守する必要があります。記録をとるためには、制御装置に備わった記録機能などを利用して残すことが一般的です。特に、近年必要性が求められている分野には、自動車などで使われる部品の生産工程などが挙げられます。例えば、カーボンファイバなどは、温度・圧力を正しく制御しなければならないことが多いです。仮に制御することが直接部品性能に影響をおよぼさなくても、管理の一貫性を保つことは必要なのです。

頻度はどれくらいが適切か決め方は

製品の品質は、たいがいはその部品に求められる校正頻度があり、その決定権は管理者にあります。しかしながら、監査が入った場合は、その頻度にかかわらず、どのような理由から回数を決定しているかについて問われることが一般的です。したがって、校正頻度を検討するときには、その製品の使い道や調査・分析の頻度、破損のおそれはあるかなど、それまでの記録を照合しながら、判断することが必要でしょう。特に、食品などは何よりも安全性が求められるものですので、頻度はデイリーあるいはそれ以上に頻繁におこなうことが望ましいとされています。同時に、管理中に部品が許容範囲を超えた動作を起こしたような場合は、どんな手順で対応するかも規定しておかなければなりません。

計器自体の精度をチェックすることも重要

製品の品質管理は、その製品そのものの管理だけでは十分ではありません。管理のために使用する温度計の精度も重要であり、こちらも定期的に校正をおこなう必要があります。それにはいくつかの方法があり、まずは「標準温度計」を使用するものです。これには購入費用とメーカーなどに依頼する校正費用が発生しますが、これを使用することにより、全ての計器の指示値をチェックして比較することができます。次に「複数の計器を比較」する方法があります。同一の施設内で使っている同種類の計器を集めて、条件を統一した状態でいっせいに測定をおこないます。そのなかから指示値からずれた計器があれば、除外すれば良いだけですので簡単です。他には、「定期的に新品に買い換える」というやり方もあります。新品の計器はメーカー校正が済んでいるものですので、1年あるいは数年は精度の保証が付いています。計器は古くなれば精度が落ちたり故障することもありますが、修理をするよりも新品を購入したほうがコスト的には安くすむ場合が多いです。

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